Yukiko Ninomiya
二宮由希子

風刺画ナノヨ

2018

"風刺画なんて"なんてタイトル、どうしよう? と煮詰まっていたある日、自分の好きなイラストレーターの名前をぼんやり、一人また一人と並べてみたら、みんな風刺画ーーそれも素晴らしい風刺画の描き手だという共通点に気がつきました。そこで敬愛する6人の巨匠に、彼らが生み出したキャラクターや自画像といっしょに登場していただくこととしました。異論その他おありでしょうが、これが私の考える"風刺画ナノヨ"。

クライアント名 : 「風刺画なんて」展(日下潤一氏プロデュース 於人形町Vision’s)

関連サイト : 「風刺画なんて」Vision’s presents The Illustrators’ Gallery Vol.10

  • ソール・スタインバーグ (1914.6.15~1999.5.12) 風刺画といえばスタインバーグの名を連想する方も多いのでは? ときにシニカル、ときにアヴァンギャルドなイラストレーションは、社会への鋭い洞察に満ちていて、日本の名だたるイラストレーターたちーー長さんも和田さんも!ーーにも多大な影響を与えたのでした。
  • 和田 誠 (1936.4.10〜2019.10.7)  似顔絵の達人という点で、和田誠さんは私にとって偉大なる"風刺画家"です(1コマ漫画もたくさん描いてますし)。高校1年生のときに同級生の父親が所蔵する画集を「三日ぐらい借りて、ほとんど全ページ模写した」というエピソードが大好きで、こうでなくちゃ! と思います。その画集とは、ソール・スタインバーグの『ALL IN LINE』でした。
  • ジェームズ・サーバー (1894.12.8~1961.11.2) 作家、漫画家、「ニューヨーカー」などの編集者として活躍した才人で、ダニー・ケイ主演の映画『虹を摑む男』はこの人の原作。イタズラ描きのような線から生まれる、シンプルきわまりない人物(と犬!)。彼らの姿を見ていると、ニンゲンってオロカだったりヘンテコだったりするけど、でも愛すべき存在なんだなあと思います。
  • 長 新太 (1927.9.24~2005.6.25) え、この人も風刺画家なの⁉︎ と思われるかもしれません。スタインバーグやサーバーといった風刺画の先達に影響を受けたことは長さんご本人が告白していますし、そもそも出発点は新聞の4コマ漫画でした。以来、そのスタイルをさまざまに変貌させながら描かれてきたユーモラスでナンセンスで不条理なチョーシンタ的世界は、病みつきになりますよね。
  • アル・ハーシュフェルド (1903.6.21~2003.1.20) 流れるような線から生み出されるデフォルメ(つまり風刺!)の効いた(ときに効きすぎた!)似顔絵。ひと目でこの人とわかる強烈なスタイルを武器に、99歳で亡くなる直前まで、描き続けました。
  • 山藤 章二 (1937.2.20~ ) 一世を風靡した「ブラック・アングル」は、何と御年82の現在も「週刊朝日」で絶賛連載中。毎週手を替え品を替え、世の中のさまざまなニュースを風刺する多彩な技を前にすると、どんなアイデアを思いついてもすでに山藤さんが描いてしまってるんじゃないかという無力感に襲われたり。山藤さんの風刺画に不可欠な存在が、ご存知ブラック氏。ご本人によればこのキャラクター、絵が9割方できたところで描き入れるのだそう。

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