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2020.08.18

会員 渡辺浮美生さん、装丁家 坂川栄治さんのご逝去を悼んで

7月21日に会員の渡辺浮美生さんがお亡くなりになりました。
会の集まりの際見かける、長い髪とガッシリとした体躯にベストというダンディーな姿で、
しかし穏やかな表情で佇まれているお姿が忘れられずにいます。
そして、浦安の夢の国で道に迷うことなく楽しめたのは、渡辺さんの精細なイラストレーションのお陰だったのだ!と、あらためてイラストレーションの感激を確認しております。
24日のご葬儀で最後のお別れをしてまいりましたが、その際ご遺族であられる奥様から、遺された作品を今後どうしようか悩んでいるとのお話をうかがい、TISとしてご協力できることがあれば尽力する旨を伝えてまいりました。
渡辺浮美生さんは作品のデジタルアーカイブ化を丁寧に積まれてきて、それらの作品は『渡辺浮美生のヨーロッパ心象風景作品の紹介と、原画、版画などの販売。』と銘打ったサイトで管理されています。
http://test.cf-watanabe.jp/p
特に熱を込めて構築されたであろうヨーロッパの心象風景はこちらでご覧ください。
http://www.cf-watanabe.jp/p/118
こうした作品群が今後も社会の財産として使われてゆけますよう、TISがご遺族のサポートをしてゆける体制を整える必要を感じた、今も生きている渡辺浮美生さんの作品であります。

 

 

8月2日に装丁家の坂川栄治氏が急逝され、先日ご遺族よりその旨が発表されました。
イラストレーターにとって居てもらわなくてはならない存在。
私も何度もお世話になっておりますが、氏の偉業を語るのは、坂川さんと仕事を共にされてこられた全ての方、お1人おひとりの発言に任せるのが正しいことだと思っております。
TISに在籍するイラストレーター1人ひとりが、坂川さんのお仕事について何を語られるのか、
どうぞ興味を持って耳を澄ませていただけたらと願います。
イラストレーション、もしくはブックデザインの文化は、そうして小さな声の集積の先でなにか美しいものとして花開いているはずで、我々はこうした関係性をさらに大切に、時代と共に育ててゆく1人の集まりであればいいなと願っております。
それにしたって寂しいです、坂川さん。

理事長 小池アミイゴ