Minori Mizukami
水上みのり

NEWSニュース

2016.10.22

「淳子のてっぺん」田部井淳子さん死去

登山家の田部井淳子さんが死去。

私は今年1月から「信濃毎日新聞」で連載されている新聞小説「淳子のてっぺん」(唯川恵作)の挿絵をずっと描いてきました。

田部井淳子さんをモデルにした小説です。現在は、エベレストに女子登攀隊が挑戦しているシーンが続いています。


ちょうど、昨日、最後の316回目の挿絵を入稿したところでした。

田部井さんが癌などのご病気だということは、ご自身も語っておられるので存じておりました。

昨年の講演会ではハリのあるお声で元気いっぱいに見えましたが、抗がん剤の副作用で色々とお辛かったようです。


小説最終回のシーンは山を下る場面ですが、終わりという感じにしたくなくて、明日も続きがあるような、なんのことはない構図にしました。


一年間ずっと田部井さんの人生を追ってきました。

神保町の山の古書店を何度も訪れたり、ネットで探したりして、1960〜70年代の登山、登攀の資料を探し読み込みました。

田部井さんの属した「女子登攀隊」の当時の本も何冊か手に入れられる限り手に入れました。

田部井さんはじめ、隊長の久野英子さんや、登頂を断念することになった渡辺さん。他のメンバー。

それぞれの人生の一場面を少し、見ることができました。

こんな人たちがいたのだ、今は覚えている人は少ないかもしれないけれど、挿絵の中で活躍させてあげたい、そんな気持ちで描いてきました。

40年前に大変な労力で成し遂げられたエベレスト初登頂。

多くの人の協力がなければ成し遂げられなかったのです。



連載の方はまだ続いているので、挿絵のアップは後日少しずつ行う予定です。


田部井淳子さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。