第19回 TIS公募

《企業特別賞》

ターナー賞
春日井さゆり
審査コメント

日常的なモチーフから非日常を感じさせるイラストがとても印象的です。それぞれの作品に込められた思いを直接伺ってみたい、と強く感じました。デジタル作品のようにも見えますが、アクリル絵具で表現されているところにもこだわりを感じます。
(ターナー色彩株式会社 鉈落佑太氏)

リキテックス賞
牧角春那
審査コメント
アナログ画材、特にアクリル絵具を活かしつつ、イラストレーションの役割のひとつとしてのコミュニケーションのハブとしての多様性を持てる広がり、多くの方への受容度の高そうなトーン&マナーという観点で審査させて頂き、こちらの作品群を選出させて頂きました。優しい色遣いでありつつ、何だか目立って記憶に残る、そして、何だか気持ちがアガる作品たち、という印象を持ちました。
(バニーコルアート株式会社 野見山 亨氏)
ファーバーカステル賞
小泉 理恵
審査コメント

独自の時代や場所の設定と構図が面白い。
(DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン株式会社 酒井久美子氏)

イラストノート&クリエイターズ・バリュー賞
小泉 理恵
審査コメント

日常の風景を切り取ったおしゃれな写真のようなイラストが印象に残りました。人が描かれていない静かな雰囲気のイラストのなかにも、人の生活感や存在感を感じられるところがとても魅力的です。
(株式会社誠文堂新光社イラストノート編集部 野口真弥氏)

『イラストレーション』編集部賞
kigimura
審査コメント
どの作品も完成度が高いですが、特に目をひいたのは手に持った水鉄砲や小さな金魚鉢を描いた作品です。鮮やかに描かれたモチーフに、描き手の愛情を感じました。実物よりも魅力的に見えるように描くことは、イラストレーションにとって大切だと思います。
(株式会社玄光社『イラストレーション』編集長 竹内康彦氏)
日本印刷産業連合会会長賞
satsuki
審査コメント

本・ポスター・パッケージなどの印刷物がモチーフとして散りばめられており、日常生活の一部として溶け込んでいる。そんな日常風景の様々な場面を切り取ったこの作品からは、『幸せ』『喜び』『楽しみ』といったプラスのエネルギーを感じられる。こうした幸せな日常の風景を実感させるパワーを持った作品であると考え、選出いたしました。
(一般社団法人日本印刷産業連合会 高島淳一氏)

竹尾賞
小泉 理恵
審査コメント

何気ない日常の空間を独特の画角で切り出し、既視感のあるようでない世界を醸し出している。流れのあるタッチは、精緻に計算されており、支持体の地模様を生かしつつ全体の雰囲気としてまとまっている。
(株式会社竹尾 鈴木裕也氏)

日本郵便賞
春日井さゆり
審査コメント
何だろう、この心の置きどころのなさは。物語があるわけでもなく、時間もあるようでない。重力もないし、気配もない。とにかく、この絵が”何者か”ということを片付けられないままでいる。まったく困った作品である、無論いい意味で。
(日本郵便株式会社 玉木 明氏)
◆審査を終えて
ターナー色彩株式会社
鉈落佑太氏

何気ない日常を切り取ったものや、メッセージ性が込められた構図のもの、作品の幅が非常に広く、楽しみながら審査させていただきました。絵具のメーカーながら、デジタル表現の多様さにも驚きと関心を抱いております。
応募してくださった皆様の益々のご活躍を祈念しております。

バニーコルアート株式会社
野見山 亨氏

今回もオリジナリティ溢れる多くの作品に驚きを隠せませんでした。審査をさせて頂く度に、イラストレーションのない世界を想像すると面白みのない世の中になってしまう、という想いに毎回至ります。今後もTIS公募が多くのイラストレーターの方々のご活躍の後押しとなれば、幸いです。

DKSHマーケットエクスパンションサービスジャパン株式会社
酒井久美子氏

この度は第19回TIS公募入賞おめでとうございます。例年に続き新たな才能が世に出てゆく瞬間に立ち会えたことを嬉しく思います。人工知能の領域がますます増えるであろう現代と今後において、クリエイターが独自に生み出す表現はこれまで以上に貴重なものとなり、人々の心に深く刺さるものと思います。感情豊かな作品の数々、今後のご活躍に期待しています。
 

株式会社誠文堂新光社
イラストノート編集部
野口真弥氏

切り口が斬新な作品が多く、不思議な世界観に魅せられました。タイトルの付け方も秀逸な作品が多く、作品とともに堪能しました。審査にあたって入選者の作品を何度も見返し、その度にイラストから感じる物語を想像しては新たな魅力を発見でき、とても楽しい審査になりました。

玄光社 イラストレーション編集部
竹内康彦氏 

今回も編集部による賞のため、3名による投票で最終的に決定しました。全員が票を入れた方が2名おり、合議で最終的にお一人に絞りました。個人的(竹内)には既知のイラストレーターさんと恐らく初めて作品を拝見するイラストレーターさんがいらっしゃり、情報の不均衡を意識せずに選ぶのが大変でした。

一般社団法人日本印刷産業連合会
高島淳一氏

どの作品、作家も独自の世界観を持っており興味深いものだった。5名の審査委員を編成して臨んだが、各人の好みがわかれて選出には苦労した。最終的には上記理由で決した。

株式会社竹尾
鈴木裕也氏
 

どの作品も素晴らしく、今回も相当悩む事となりました。何気ない日常の切り出した作品にほっこりしたり、独特の世界観を持つ個性に驚きを感じたり審査を楽しむ事ができました。私自身は絵を描くことができませんが、一つ一つの作品に創作の熱意を感じました。応募していただきました皆様に感謝を申し上げます。

日本郵便株式会社
玉木 明氏
 

今回の審査は2回目でしたが、前回よりもたいへんだったような印象を持っています。これは、前回よりもレベルが上がったというような単純なものではなく、表現は抽象的ですが“全体の厚みが増した”という方がしっくりきます。そういった意味では、困った審査だったということが言えます。求めるところを言わせていただくなら、もう少し全体感として“アバレ”があった方がいいように思いました。社会では多くの場面で「多様性」という言葉が使われるようになりました。別にイラストレーションが社会と同調する必要はありませんが、日本のイラストレーションがもっと多様になり、いい意味で審査員がさらに困るような年がくればいいなと思います。