TIS EXHIBITION

「歌舞伎イラストレーション」展

TIS EXHIBITION

19回目となる恒例の東京イラストレーターズ・ソサエティ(TIS)の展覧会。 今年はTIS設立25周年の節目の年です。そこで選んだテーマは「歌舞伎」。

400年にわたる長い伝統の裏付けと、歌舞伎座再開・若手台頭の時節の新風で大いに盛り上がる歌舞伎は、これからも当代のイラストレーションを引っ張るわたしたちの気概を表すにぴったり。

参加161人の会員が描き出す歌舞伎ワンダーランド。ワクワクお祭りモードでお待ちいたしております。

 


主催:東京イラストレーターズ・ソサエティ

協力:クリエイションギャラリーG8

用紙協力:株式会社 竹尾

秋山 育

白浪五人男のひとり。―知らざあ言ってきかせやしょう―の名セリフで、知る人ぞ知る、額の傷も艶やかな弁天小僧菊之助。相模国、鎌倉無宿。

秋山孝

勧進帳は、源頼朝の怒りを買った源義経一行の逃避行の物語だ。そこで活躍したのが山伏に扮する弁慶で、義経を無事安宅の関を通過させる。見所の「飛び六方」を描いた。元禄から始まるこの演目の魅力を描きたかった。

浅賀行雄

我が子を身代りにしてまで忠義を尽くす。首実験で我が子の首と対面する場面だが、我が子であると悟られてもいけないと云う想像を絶する心理状態のクライマックス。忠義は少しグロテスク。

あずみ虫

歌舞伎の色彩の美しさを描きたいと思い、まず頭に浮かんだのが「連獅子」でした。赤と白の親子獅子の豪快な毛振りが今も目に焼きついています。

あべ弘士

名作「義経千本桜」の主役は人間ではなく、あきらかにキツネだ。このキツネ、人情がたっぷりでキツネにしておくのがもったいないくらいだ。本物のキツネも愛情豊かな動物で、我々人間も見習いたい。

網中いづる

華やかな藤の花と可憐に舞う娘を描きたいと思いました。

新井苑子

六代目中村勘九郎の豪快な獅子の精を描きました。その顔は獅子の魂が乗り移ったかのよう。

新目 恵

松に絡む藤を舞台に、恋に悩み、舞う、藤娘。可憐で妖艶なその姿は美しく、見ている自分も酔ってきそうです。 そしてたっぷりと咲く藤に、あらためて四季の豊かさを感じさせてくれます。

安西水丸

「仮名手本忠臣蔵」五段目に出てくる定九郎と与市兵衛。定九郎は悪人ですが、色悪というかやたら恰好いい。出番もセリフも少ないが、役者たちはみんなこの定九郎を演じたがるという。これは犬山人形です。

飯田 淳

華やかなメイクと衣装は世界中のクリエーターに影響を与えている。特にファッションやミュージックの世界で歌舞伎はKABUKIになって生きている。

飯野和好

これは「弁天娘女男白波(白波五人男)」で、弁天小僧菊之助と南郷力丸が芝居の稽古の工夫のやりとり。後ろで黒子がお茶を飲んでいる。菊之助の胸に染みる演技は必見である。大歌舞伎、小芝居、地芝居と是非!

いざわ直子

高僧なのに美女の色じかけに迷って簡単にだまされてしまう鳴神上人。何だか憎めなくて好きになってしまいました。威厳があったり情けなかったり様々な表情が見れるけど、怒りに燃えた所がだんぜんかっこいいです。

石山好宏

鈴ヶ森」の斬り合いの場面、真っ暗闇の中、スイスイと情け容赦なく追っ手を斬っていく白井権八。スピード感、良識、闇夜の暗さが今とはまったく違うのに、その世界が目の前で展開している不思議さに酔いました。

石丸千里

京都にゆかりのある「助六」を描いてみました。

板垣しゅん

かつて歌舞伎は庶民にとって最も身近で、もっともロマンにあふれた娯楽であった。そこには過ぎ去った自己があり、見果てぬ宇宙があった。

井筒啓之

歌舞伎がテーマで良いなぁと、描くのを楽しみにしていましたが、実際描くと難しいですね(笑)どうにかこうにか自分のフィールドに持ち込みました。

井筒りつこ

お染久松の話です。田舎の親元へ戻された久松を追ってお染が会いに来ます。でも久松はお光ちゃんと結婚間近。この絵はお光ちゃんです。舞台で本当に大根を切るそうです。結局振られちゃう。かわいそうなのね。

伊藤彰剛

歌舞伎の迫力は、自然の力強さに似ているように思う。 二つを融合し、歌舞伎の魅力を引き出したかった。

伊藤桂司

ご存知の方も多いと思いますが、立版古は江戸時代に広く楽しまれた、歌舞伎の舞台等をミニチュア化したペーパーキットのようなものです。今回は、“歌舞伎座当り狂言桃山譚”を素材に、新しい解釈で制作に臨みました。

いとう 瞳

歌舞伎を観に行った事がまだ無いのですが、こんな女形に導かれて歌舞伎座の中に入って行ってみたい。

伊野孝行

歌舞伎は絵になるところが多すぎて、何を描くのか決めるのに時間がかかった。で、結局三代歌川豊国の「中村座」の場内図の部分を模写することにした。模写といってもずいぶんテキトウだが。タイトルは「暫」の英題。

上田三根子

歌舞伎自体には、あまり心引かれないけれど衣装や舞台美術のキッチュな感じはおもしろい。格子柄に役者の名前がついていたり、案外モダンだったり。牡丹灯籠を読んでいる女のコに弁慶格子の着物を着せてみました。

ウエノ★アモーレ★ヒロスケ

歌舞伎の事は殆ど知らないけれど、東銀座の歌舞伎座の前は時々通ったし、建物の雰囲気がなんとなく好きだった。建て替えの話を知ってとても残念な気持ちになったのを思い出す。

宇野亜喜良

京の少将の息女〈桜姫〉は結構に好色で、自分を犯した権助と同じ釣鐘の入墨をして、再び男にせまったりする。この女性の前生が男娼の白菊で、最初に清玄と心中している。このあばずれお嬢さんは南北戯曲の傑作!

及川正通

ひと足お先に新団十郎誕生!

大久保厚子

錦絵の資料を見ていて、歌舞伎の役者は勿論のこと、その舞台の美しさにも惹かれました。

大竹雄介

初舞台や「襲名」披露、「追善」などの興行の舞台で行なわれ役柄ではなく、役者名で登場し、座頭をはじめ関係する役者たちも紋付き袴姿で挨拶を述べる。華やかな一幕で好きだ。

大西洋介

玉三郎さんが17才か18才の頃でしたが、私がデザイナーの頃、雑誌の仕事でモデルをお願いしたことがありました。フィルムを見たいということで家に来られた事がありました。その年令ですごい人だと思いました。

大森とこ

自分の中にある歌舞伎のイメージを具体化してみました。華やかなビジュアルとリズム、高いエンターテイメント性の語り物。目や耳で楽しみたいです。

小川かなこ

初めて観た歌舞伎がシアターコクーンでの「夏祭浪花鏡」(なつまつりなにわかがみ)。それがカルチャーショックを受ける程に面白く、後に歌舞伎座へ足を運ぶきっかけになった演目です。

奥原しんこ

10年以上前のこと。東銀座の歌舞伎座で初めて観たのが、確か「番町皿屋敷」だったのを思い出して、うらめしやの幽霊を描いてみたくなった。

音部訓子

めいっぱいの情熱と共に駆けぬけていった十八代中村勘三郎さん。勘九郎時代のNY公演は恐いくらいの凄味で観客を魅了しました。あっぱれ勘三郎!ありがとう勘九郎!

小野利明

学生時代、旧歌舞伎座の幕見席で何回か見た。4階から見ても役者の動きと、間合いに掛けられる御贔屓の声に感激した思い出がある。

小野トモコ

生まれて初めて見た歌舞伎は「双蝶々曲輪日記」という演目でした。おもいきり寝こけてしまい、それいらい舞台では見ていないのですがテレビではたまに見ます。東映時代劇の影響も大いにあります。

海谷泰水

歌舞伎に出てくる動物達を観てその魅力に度肝を抜かれ興奮しました。平面的な背景もなんだかかわいらしくて好き。

影山 徹

写楽の描く三代目沢村宗十郎は、かわいい。これをキュビスム的に描きたくなった。レジェっぽくなった。レジェの描く人物も、かわいい。

加藤裕將

かつて、 六代目菊五郎は「間」は「魔」と書く、と言ったという。( 生かすも殺すも間 ) まっ暗闇も「魔」の路に通じる。絶妙の間と深い闇、アナログな音と光、非現実な世界と物語。ビールに「助六」を食べながら今日も芝居見物。…平和な日本が続いてほしいです。

河下智美

こんな衣装が、あっても良いかな、と。

川村 易

白塗り顔に朝顔の隈取り、江戸名物「朝顔煎餅」ゆかりの名をもつ道化役。煎餅の宣伝口上が得意の色奴とは俺のことだ。

川村みづえ

生の舞台は3回位しか観たことがなく全く無知の世界ですが、役者絵で感銘を受けたのは国芳が土蔵の白壁に釘で引っ掻いて描いた斬新なタッチ「むだ書」という似顔絵です。私も今回そのむだ書を試してみたのですが…

管野研一

「ヒーロー」
歌舞伎十八番の一つ「暫」。主人公は平安時代の武将「鎌倉権五郎」。素襖(すおう)がマントのように大きく、デフォルメした髪型、そのダイナミックな姿にアメリカンコミックヒーローと重なって見えてきました。ヒーローは一目で只物ではないと思わせるものです。

北谷しげひさ

久しぶりに新歌舞伎座の桟敷席で観劇しました。年齢を重ねて日本の伝統文化も良いものだなあと思います。食事も懐石料理の方がしっくりくるし、日本人のDNAが影響しているんでしょうか。(石川さゆりの歌も良いなあ。)

北田哲也

歌舞伎には、ボクが絵でやろうとしている所と重なる部分がある!と自分では感じています。それを一言で言ってみると「写実的ではないけど、リアル!」ということになると思います。また「様式美はあっても、パターンには陥らない!」という所も、とても絵の参考になります。 どうしてそんな(綱渡り的な)事を、長い間続けてこれたのだろう?その秘密を知りたい。

北村 治

先代猿之助さんのすごい太腿を見たことがある。歌舞伎役者は、ほぼ全員腿が太い。暖・急・静・止、多様な動きを支えるには、並の腿では、無理なのだろう。歌舞伎役者を集めて、ラグビーチームを創りたい。

木村タカヒロ

「市井に漂いて商買知らず、隠に以て隠にあらず、賢に以て賢ならず、物知りに以て何も知らず、世のまがい者」(近松辞世文より)
ただ単に顔の造形が面白いという、まがいイラストレーターの安直な動機で選びました。

木村桂子

栄松斎長喜の浮世絵をもとに描きました。なぜかマンハッタンの絵が重ねてありますが、故中村勘三郎さんがNY公演をなさった事が記憶に新しい。(演目は忠臣蔵ではなかったと思います。)

国井 節

「背水の陣」。武蔵坊弁慶、白紙の大芝居。子供の頃から、このシーンは凄く好きで、よく遊びの中に取り入れていました。もちろん弁慶になったのは自分でした。たいへん懐かしい演目です。

久保周史

曽我五郎時宗です。
歌舞伎は年頭『きのね』(宮尾登美子・著)を読み、興味を持ち始めた私、個人的にもタイムリーなテーマです。役者の壮絶な人生を、この絵に込めました。

くまあやこ

義経千本桜・四の切の場面。初音の鼓となった親狐を慕って、子狐は忠信に化け、静御前が鼓を打つと、狐のような仕草になります。子狐は義経より、源九郎狐の名をもらい、初音の鼓を賜り、喜んでいる姿を描きました。

熊井 正

連続と不連続。見栄を切る場面は、その瞬間を一枚の絵として切り取る。衣装の色彩と図柄は、人に対して尋常でなくその対比は、かるい目眩と陶酔を感じさせ、緩やかなテンポは、過去への憧憬または本来の在り方。

桑原伸之

歌舞伎の化粧の中に隈取りという化粧がある。主人公・悪人・動物・子供とそれぞれ表現が違う。初代市川団十郎がはじめられたと言われている。

KUNTA

小さな時からテレビや映画であこがれた時代劇のヒーロー達。彼らは既に狂言、歌舞伎という世界で江戸庶民のヒーローだった。これが今で言うダークヒーローなのだからたまらない。

小池アミイゴ

歌舞伎はわざわざ歌舞伎座まで行くことにも楽しさがありますね。新築された歌舞伎座の昼の部に行ってみると、6月の空に瓦屋根も紫陽花も真っ白く綺麗で、人が粋を持って街を歩いてた時代に想いが飛んだのです。

小寺 茂樹

このヘアースタイル、車鬢と言うそうですが実にユニークですなぁ。まるで蟹のようですが車鬢は力の象徴で、主人公は正義の味方スーパーヒーローです。こんなヘアースタイルの国会議員が現れてくれないかしらん。

古村 耀子

助六と言えば、お寿司。
助六の愛人の花魁「揚巻」からいなり寿司と海苔巻きのセットをそう呼んだらしい。トリビアでした。

近藤 圭恵

歌舞伎に登場する個性的で愛すべきキャラクター達。目元にお茶をつけて出ない涙を誤魔化したり、水桶を手に大胆に引っくり返ったり。蛇の化身や猪までいます。描いていたら生の舞台で彼らを見たくなりました。

五辻みつる

このところ、あまりよくない事が続いていた歌舞伎界、飛んで、飛んで、飛んで、飛んで、飛んで、飛んで、元気になればいいですね。

ごとうえみこ

役者さんの楽屋での楽しい感じを描いてみたいと思いました。

ゴトウヒロシ

ニヒルで残忍な悪党、新三の凄味に惹かれる。

斉藤美奈子ボッフォード

「こいつは春から縁起がいいわい」のお嬢吉三のイメージで描いてみました。

さか井美ゆき

私の名を外国人に説明する際にオットは、子音が3つというだけで「カブキ」を例に出すのだが、これがなかなか功を奏するようで、皆一様に納得して安心した顔になる。サンキュー、カブキ。世界的に有名でいてくれて。

阪口 笑子

近松門左衛門作「曽根崎心中」醤油屋平野屋手代徳兵衛、北の新地天満屋遊女お初。二人の心中物語。近松が極めに極めた名セリフ。江戸期リアリズムが今も私の胸を熱く熱く焦がします。

さかたしげゆき

おいら、かぶきざこぞう!体が歌舞伎座のわりに歌舞伎座のことはあんまり知らないんだ。とりあえず、知ってるポーズを取ってみたんだけど「見栄を切る」って言うらしいね。昨日のテレビで初めて知ったよ。

坂本 富志雄

10代後半に同級生と歌舞伎を観に行き、終演後ロビーですわっていると、年配の男性が話しかけてきて、しばらく歌舞伎の話をしてくれました。今思うと、珍しく若者が歌舞伎を見に来たのでうれしかったのだと思います。

櫻井 砂冬美

「花四天」は、家族で木挽町に住んでいた頃の母の、学生時代の同人会での筆名だったそうです。おばあさんは清元のお師匠、おじいさんは清元の太夫でした。

佐々木 悟朗

歌舞伎は、その派手な化粧とカラフルな衣装、舞台の書割に至るまですべてが人工的に演出されているものだから、ある意味すきのない重厚な絵画を鑑賞するようなものだ。つまりこれ以上手の加えようのない絵を絵にしようというのだからこれは難しい。まして、写楽たちが描いた歌舞伎役者の完璧な作品を目の当たりにすると、果して自分に何ができるのだろうとため息が出てしまう。

ささめやゆき

月もおぼろに白魚のかがりもかすむ春の空つめてえ風もほろ酔いに、心持ち良くうかうかと、浮れ烏のただ一羽、ねぐらへ帰る川端で、棹のしずくが濡れ手であわ、おもいがけなく手に入る百両―大川端庚甲塚の場の出だしの台詞がいいので、その場面を描いてみる。

佐藤 邦雄

いか様なア、おらが名を手の平へ三べん書えてなめろ、一生女郎に振られるということがねえ。花川戸の助六とも、また揚巻の助六ともいう若い者、間近く寄って、面像拝み奉れ、エエ。

佐藤 直行

歌舞伎と言って思い浮かぶのは歌舞伎座御用達の熱々ビーフシチュー、沸き立つ泡に目を見張ってしまう寫楽繒「恋女房染め分け手綱の奴江戸兵衛」三世大谷鬼次を借りての平成幻想、隅から隅までずずずいっとお許しを…

佐藤 昌美

ある日の浅草。いつも以上の黒山の人だかり、おねりだった。
その中にまじり、ものの数分だったが、ハレの気を味わった。

杉田圭司

30年程以前は歌舞伎を頻繁に観に行きました。特に市川猿之助の外連が好きで、ダイナミックで華やかな衣裳と変幻自在な舞台に感動していました。歌舞伎は常に新しい挑戦を継承してほしいものです。イラストレーターも同様。

信濃 八太郎

近松門左衛門作「女殺油地獄」より、油まみれですってんころりんとなりながらもお吉を殺して金を奪い、花道を逃げ去っていく与平衛の、怯えたような虚ろな目。人間誰しも哀しいほど愚かしく滑稽だ。

篠崎 三郎

歌舞伎の祖といわれた、出雲の阿国をモデルにしてみた。絢爛豪華な現代の舞台と異なり、河原や質素な能舞台で演じていた様子。それだけに演者は、より一層輝いて、みえたのだろうと想像を楽しんでいます。

下谷二助

このコメントを義務づけられるまで、歌舞伎のことなどあまり考えたことがなかった。世田谷育ちの老妻によれば、近くの銭湯の番頭が出世前の春日八郎で、我々は意外なところで歌舞伎とつながっているものなんですね。

下村 勝

歌舞伎の事を何ひとつ知らない「カブキ者」の私が歌舞伎の事を思って描いてみました。

白肌4

踏み切り前アトリエにて、芝居について考えてみた。遠い昔に思いを馳せる。娯楽、感動、文化、雨の音、先人たちの歓声。

城芽ハヤト

継子に恋し毒を盛ってしまう歌舞伎女形の難役「玉手御前」。着物の片袖を破り頬冠りにし、朱の襦袢を晒しての登場。竹本♪しんしんたる夜の道 恋の道には暗からねど…♪二十歳前の継母の狂気に息をのむ。

杉浦範茂

歌舞伎好きの兄がいて、レコードが家にあった。こちらは観たことなどないのに“しがねえ恋の…”とせりふだけはよく真似をしていた。知らない大人は、随分ませた子どもだと思っていただろう。

杉田 豊

役柄を強調する特殊な化粧法の隈取り。微妙な違いの役づくりが興味深い。

鈴木英人

歌舞伎役者が演じる正義の主役を見ているとその化粧や装束に、悪に立ち向かう怒りのデザイン「炎」が表現されているようだ。その炎が舞台狭しと跳り回る。庶民の想いのデザインそのものだと思う。

宗 誠二郎

以前京都の骨董屋で手に入れた古いぽち袋。そこに描かれていたのは金箔の顔面に朱と墨で隈取りされた歌舞伎役者でした。今回はそのぽち袋がモチーフとなりました。

ソリマチアキラ

本物の歌舞伎を体験した事はまだないが、江戸の粋なかぶき者の代表格といえば、まず頭に浮かぶのは「助六」です。揚巻の名コンビ「助六寿し」も好物です。

唐仁原多里

化粧は一つの変身の形だろうか。歌舞伎では役者が自らの手で化粧をほどこしながら、演じる役に入っていくとも言われている。
私のぼんやりとした顔も、化粧で少し違った印象になる。小さな変身の一つだろうか。

高橋キンタロー

顔に一筋の隈取を施すだけで光りと陰、あるいは正義や悪を舞台に映し出す。表現の極み。

高部晴市

オトワ屋 ケッコウ ハリマ屋 ケッコウ ナリコマ屋 ケッコウ ナカムラ屋 ケッコウ でもやっぱり「うまのあし!!」 まってました。表があれば裏がある。表裏一体、歌舞伎ってスバラシイ!!

竹井千佳

歌舞伎座がリニューアルオープンして色々な関連商品が発売されていた中に、歌舞伎柄のエクレアがありました。正直、私にはそれが芋虫にしか見えませんでした。どんな味なのか食べてみたかったです。

武政 諒

歌舞伎十八番の一つ「助六」。主人公の助六は黒縮緬の着付けに江戸紫の鉢巻姿で、蛇の日傘をさして登場。着物からのぞく襦袢は緋色で足袋は黄色。そして帯には脇差と尺八を差しています。

田代 卓

こんなカンジの凧を商品化したら面白いのになあと思っています。

田嶋 健

歌舞伎十八番のひとつ「矢の根」。曽我十郎・五郎兄弟の仇討ちの話は日本三大仇討ちに数えられる。なんだか仰々しいわりに大津絵に描かれたそれはなんだか趣味の世界に浸っているよう。なのでくまをつけてみました。

田島征三

歌舞伎に興味があるわけではないので「歌舞伎」という文字をカブキカラーとかを使わず、気ママにレイアウトしてみた。イラストとか絵本とかファインアートとかジャンルにこだわらず、「いいかげん」な絵を描きました。

田尻真弓

社会人2年目の時、先輩の代わりに突然観に行く事になった。舞台美術や着物が奇麗でそんな所ばかり見ていたら、効果音、演奏が耳新しくどこから聞こえるのかきょろきょろと探したのを思い出します。

多田景子

歌舞伎と聞いて真っ先に頭に浮かんだのが、独得の化粧である隈取でした。
洋服の柄も歌舞伎にまつわるものにしています。

建石修志

今こそ、いざや傾かん!

谷口広樹

歌舞伎なら「しばらく」のメイクをさせろ!と私の猿がうるさい。やれやれと思いながらもお陰で描くものが決まってほっとする。描き終えた絵を見て猿は、いつもよりきりっとしてていいねと喜ぶ。なかなか可愛い奴だ。

タムラフキコ

映画「写楽」の花魁の言葉、ここにあるんですね、歌舞伎に明るくないですが、所作や形、ハデハデしさ、おかしみ、なさけ。観るとものすごく魅力を感じます。

タラジロウ

新しくできたところを紹介するテレビが好きです。スカイツリー、東京駅、そして歌舞伎座。今年からはじめた「つみきグラフ」で表現してみました。

丹下京子

「恋飛脚大和往来」は私が初めて歌舞伎を見た日の演目でした。中でも印象的な「封印切」の場面。最初はコミカルな人情話かと思いきや、このシーンから一転切なくドラマチックに‥お人好しで無計画なダメ男忠兵衛がどんどんキラキラ輝いてくるのです。 歌舞伎初心者にもとてもわかりやすいお話なのがまた良いです。

チカツタケオ

歌舞伎を初めて観たのは、27歳の時だと思う。その頃勤めていたデザイン事務所で、会社の経費で観に行った。あれからだいぶ時も過ぎ時代も大きく変わった。当時お世話になった社長が亡くなった歳より3つも上になってしまった。

手塚リサ

劇場にはたくさんの神様がいらっしゃると思うのですが、歌舞伎座がまっさらに新しくなって何かと心細いかと、私たち家族もどなたかの魂を背負うなりして陰ながら舞台をお守りしようとひとまず偵察にまいりました。

寺田順三

歌舞伎をちゃんと観た事がありません。芝居の中で動物は出てくるのかと調べてみると、こんな感じでちゃんと登場するのだと知りました。

天明幸子

今回、イラストを描くにあたって、歌舞伎の本を何冊か読んでみました。そして、うすらぼんやりしていた認識が、ちょっとだけクリアに。歌舞伎って、ほんと面白いですね!VIVA KABUKI ♡

唐仁原教久

江戸歌舞伎の代表千両役者だった市川団十郎。江戸時代、魔よけの所作「にらみ」を見ると、病が治った、1年間風邪をひかないなど、団十郎信仰が起るなど、人気たるやすさまじいものであった。右目に月、左目に太陽。

内藤貞夫

若い頃、歌舞伎座の近くに会社があったが、前を通り過ぎるだけで、何の感心もなかった。今は一度は見てみたいと思っている。

中村幸子

映画「シャイニング」に出てくる少女をイメージして、二人が歌舞伎のお面を付けて遊んでいるところです。

中山 泰

勧進帳、義経を追う弁慶、幕切れ引っ込みの飛び六方の図です。

仲城正義

お芝居には不案内で不参加のつもりでしたが、藤枝リュウジさんに勧められて、参加しました。辻褄が合っているのか心配です。

長友啓典

大阪の小学生(僕らの時代)は課外授業として歌舞伎の観劇が必須であった。役者の名前は勿論の事、演目に至っては皆目憶えがない。しかし、満艦飾の舞台に目が点となった記憶は鮮明にある。新しい歌舞伎座で思い出した。

ナガノホナミ

歌舞伎…難しいイメージでしたが、調べてみると、今とそんなに変わらない人間のドラマだったり。急に、親しみがわきました。

灘本唯人

忠臣蔵では討ち入りの前に吉良邸の様子を探るため、赤穂浪士が町人や医者、そば屋などに変装し家の間取りや兵力を偵察していたといわれています。こんな役者に変装していた者もいたのではないでしょうか。

ネモト円筆

観劇は、お弁当も楽しみのひとつです。

野田あい

歌舞伎の衣装の色や柄が美しくて、絵に描いて並べていましたら、子供の頃夢中になった着せ替え遊びを思い出しました。カブキキセカエ、歌舞伎座土産にいかがでしょうか。

野村美也子

幕の内弁当とはご存知のように、歌舞伎の幕間に食べられたことから名付けられた弁当である。ところが江戸時代の元祖幕の内弁当は、昨今見かける物とはだいぶ趣が違ったようだ。重箱の中に軽く炙った握り飯、玉子焼きと蒲鉾、こんにゃく、焼き豆腐、かんぴょうを甘辛く煮たものが定番だったという。私はむしろこちらの方が好みかも。

長谷川義史

かぶき者、かわり者、ふとどき者…?
こーゆー人たちがちゃんといたら、それはそれでゆたかな気がする。

濱 愛子

壁のむこうは夢の世界、強い吸引力にあっという間に引き込まれ、まばゆい歌舞伎を全身に浴びました。

林 恭三

暫くは歌舞伎の荒事で演じられる演目です。團十郎家の「家の芸」です。「歌舞伎18番」の一つに数えられています。主役の鎌倉権五郎、公家悪の清原武衡、道化方の鯰坊主、赤っ面の成田五郎の大首を描きました。

羽山 恵

安珍清姫の道成寺伝説をもとに、白拍子の花子(清姫)が恋の炎燃やした安珍に裏切られ、道成寺の鐘の中に逃げた安珍を大蛇となって、焼き殺すという怖いストーリー。でも小坊主たちの洒落や白拍子の見事な踊りなどで楽しい舞台。

日端奈奈子

女形は歌舞伎の醍醐味ですが、かつては女歌舞伎役者の存在がありました。風紀を乱すという理由から女歌舞伎禁止令が出され、現代に通ずる野郎歌舞伎となりましたが、私には女性の演ずる舞台も見てみたい気がします。

平澤一平

1980年代に歌舞伎役者をモチーフとして全米で人気があったプロレスラーのザ・グレート・カブキさんをマチスのダンスと絡めてみました。柴犬と猫はオマケです。カブキさんにちなみ、みんな隈取りにしてみました。カブキさんの居酒屋一度行きましたよ。美味しかったです!

平松尚樹

歌舞伎で最も惹かれる所はその磨き抜かれた衣裳デザインと隈取りです。
この二つの完成度の高さは筆舌につくしがたいところ…で今回は隈取りから正義の士、梅王丸を大凧にしてみました。

ヒロ杉山

歌舞伎役者の夢

廣中 薫

歌舞伎ビギナーの私が、歌舞伎世界へ入りやすいように以前何度か観た作品。小中学校が鎌倉八幡宮のお隣だったので、歴史上の義経と弁慶について、幼少の頃から数えられない沢山のイメージ像を持ち憧れ・・歌舞伎では、義経と弁慶が次々と展開する独特ストーリーや動きで 大迫力!! 舞台の闇の光迄が時空を超え、美しく怖く儚く感じました。

ヒロミチイト

なんだかひきつけられるなぁ
みえないチカラにひっぱられるなぁ
きみのおどりをみていると
ぼくのこころもおどるなぁ
やっぱりはなれられないなぁ
くっついちゃうよなぁ

福井真一

役者絵を得意とした三代豊国の鏡絵に倣って現代風役者鏡を描いてみました。

藤枝リュウジ

荒々しさを誇張して演じる所作。荒事の宗家とされる初世団十郎以来、市川家のお家芸で江戸歌舞伎の特色。芽のある芸風で、下向うから「ナリタヤッ」の声が飛び交う。

フジモト・ヒデト

祝!!富士山世界文化遺産登録!!!

舟橋全二

残念ながら歌舞伎のことはよく知りません。男役でも、時に眼の脇に紅がひいてあるのが面白いと思いました。

古川タク

歌舞伎であさぎ幕がパッと落ちて急に次の場面が表われる瞬間が好きだ。そこを絵に!と試行錯誤をくり返したがうまく表現できず、結局ドクター中松戦法でお茶を濁した。

ほししんいち

あっ、ズラ忘れちゃった!…歌舞伎あるある

松尾たいこ

「歌舞伎十八番」の1つ「助六由縁江戸桜」。助六と恋仲の花魁「揚巻」は、吉原ナンバーワン。美しいけれどイヤな客には啖呵を切るかっこよさと、艶やかな衣装を想像しながら描いてみました。

松倉香子

連獅子です。艶やかな色はあえて使っていません。子獅子はちょっと遊び心を加えてしまいました。獅子は子供を谷へ蹴落として、上ってきた子だけを育てるという言い伝えは有名ですよね。毛振りの場面は圧巻です。

松下 進

「妖術奇術競(ようじゅつきじゅつくらべ)」と云う題名の新作を描きました。総天然色で出展できなかったのが残念です。いつか色入れしたものも発表したいと思います。

松本孝志

ご贔屓にとって役者絵は、今のアイドルのブロマイドと同じだ。昔の人も、イケメンや(女装した)美女と同時に、強烈なキャラ全開の顔を見ると、つい手元に置きたくなっちゃったんだろうな。

真鍋太郎

「知らざぁ言って聞かせやしょう!?」粋でイナセなタンカを切る弁天小僧。歌舞伎座、素人や子ども歌舞伎で観てもイケテル芝居。子どもの頃から大好きな小僧を「小猫」が演じたら面白いニャア…いよっ!日本一!

丸山誠司

ネコを飼い始めました。ウチのネコは、カブキ者ではなく、どちらかというとオクビョウ者です。

みずうちさとみ

落語「中村仲蔵」では仲蔵が“弁当幕”と言われたこの幕を、今までとは全く違う定九郎で演じます。口に含んだ血玉がまるで本当の血のように足へとしたたり落ちる。度肝を抜かれた観客は息をのみます。そして、この定九朗の演出は今へと受け継がれるのです。

水上みのり

観劇の後、家路へ向かう人々…。ぜいたくな時間を楽しみ、満足して。豊かな時間。

水口理恵子

何となく歌舞伎というと、青、赤、白のイメージがあります。今回はその三色を使って描いてみました。

水野卓史

江戸時代、庶民の楽しみの中心だった歌舞伎歴史を積み重ね、伝統を守り続ける。深い血のつながりを持つ若い役者衆は、それぞれに工夫をし冒険をくり返す。そんな世界を一枚の紙の上にどう描けばよいのだろうか。

南 伸坊

舞台上で、鼠が猿に「ごあいさつ」してます。歌舞伎にこんなお芝居はないので、これは幕間に、先輩後輩がアイサツをしているか、あるいは、鼠の人が、猿の人に、なんか貰いもんなんかして、お礼を述べてるのでしょう。

峰岸 達

「月も朧に白魚の篝も霞む春の空(中略)こいつぁ春から縁起がいいわい~」でお馴染みの「三人吉三巴白浪」(大川端の場)。右からお嬢吉三の尾上菊五郎、和尚吉三の松本幸四郎、お坊吉三の片岡仁左衛門のつもり。

村井和章

鷺が人に恋をする。叶えられない想いの一つの象徴なのだろう。狂おしい想いで舞う美しさに観る人は魅入られる。その想いは死の向こうに、悲しくも一縷の光を見る。

村田善子

舞台にあふれる色、肉声と音の迫力。初めて歌舞伎を観た時は、内容よりも色と音にまず心がパッと華やかになったのを思い出します。

村松 誠

鷺が人に恋をする。叶えられない想いの一つの象徴なのだろう。狂おしい想いで舞う美しさに観る人は魅入られる。その想いは死の向こうに、悲しくも一縷の光を見る。

本村加代子

歌舞伎座の前。うきうきと開演を心待ちにする人々。

野村俊夫

なんだかよくわかっていませんが、助六寿司も好きなので、なんとなくのイメージでこんなの描いちゃいました。

森 英二郎

私は歌舞伎をまだ一度も見たことがない。これからも見る機会があるかどうかわからない。しかし、東銀座駅へ行く途中に見える夜の歌舞伎座は綺麗であった。

森 貞人

写楽の役者絵を私的に真似てみました。デフォルメによる線の勢いに写楽のスゴさを感じ髪などは一本一本を鉛筆の線でより、リアルに描く事で私流の歌舞伎役者絵が完成しました。

森 学

歌舞伎は小道具が本当に面白い。
ポップで華麗なデザイン、色彩、素材、過激!?なキャラクターやアイコンの数々……。
今回はグラフィカルな「KUSHI」を絵にしました。

八木美穂子

歌舞伎役者の静の佇まいにははっとさせられる。演技のその静けさに込められた表現は千の言葉より多くを語る。

矢吹申彦

歌舞伎とは長のご無沙汰だったところ、友人斎藤芳弘が亀治郎(現猿之助)を追って写真を撮り始めた。その結果が『亀治郎の肖像』に集約。また歌舞伎が少し近いものになった。その写真にインスパイアーされて描いた絵。

山口はるみ

私を歌舞伎につれてって。

山口マサル

毎月見てた時期があります。コクーン歌舞伎は全部見てる。中村七之助の楽屋ののれんも手がけた。

山崎綾子

妹背山婦女庭訓の吉野川は、川の流れを生き生きと表現し舞台が劇場全体に広がっています。その流れは優しく強く荒々しく、一人一人の人生のよう。親と子、恋しい人、隣人への愛が見える物語。美しい舞台と共に心に残ります。

山﨑杉夫

今で5代目だそうですね。少し形のちがった先々代の建物を描いてみました。真ん中に大屋根があるのが特徴です。このデザインもなかなか迫力があってひと目、現物を観てみたかったなと思いました。

山崎のぶこ

歌舞伎に使われる小道具等のおもしろさ、不思議さに思わず目がいってしまったので少しだけ描いてみました。

山﨑若菜

実はまだ歌舞伎を見たことがないので、一番見てみたい演目の連獅子にしました。
きっと目が周るだろうと思いながら描きました。

山下以登

心中の約束を交わした小春に会いに向かう治兵衛が「魂ぬけてとぼとぼうかうか」と花道を歩く出を描きました。二代目中村鴈治郎による昭和45年のアーカイブでの歌舞伎初体験。こんなにコミカルで楽しいんだ!びっくり。

吉實 恵

子供の頃、派手な二人組が頭をぐるんぐるん回すテレビCMがありました。私はそれが面白くてたまらずよく真似をしていましたが、それが「連獅子」だと知るのはだいぶ後のことです。理屈抜きで魅了されました。

若尾真一郎

女形の化粧のなかに歌舞伎の宇宙がある。

若林 夏

その昔、歌舞伎のもとのもと。
男装して伊達男を演じるいずものおくにさんを描きました。イメージしたのは浅香光代さんや萬田久子さんのように美しくもたくましい女性です。原点には女性のパワーあり!

渡辺 宏

時に動物を眺めていると、その容姿や佇まいが人間のそれと重なる時がある。ペンギンや白熊などの後ろ姿は哀愁がある。悲しげで凛とした姿勢、愁いを帯びた瞳、鷺を見つめていると、暫し時の経つのを忘れてしまう。

渡辺リリコ

ユーモアとリズム感にあふれ、歌舞伎ならではの仕掛や衣裳。恋の駈けひきをたっぷり楽しめました。

和田 誠

この芝居、子どもの頃おばあちゃんに連れられて観に行きました。子どもには長かったし、六段目・勘平の切腹の場面などはたいそう怖かったけれど、七段目・一力茶屋の場面などを美しいと思った記憶があります。