COLUMN
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イラストレーターのビジネス知識

2020.10.01

著作権のことをもっと知ろう 第8回

Q法律上「キャラクターの定義」というものはありますか?
A絵に描かれた具体的なものから抽象的なイメージまで、幅広く設定されています。
著作権法その他の法律にはキャラクターの定義はありません。一般に、キャラクターとは「小説や漫画等に登場する架空の人物や動物等の姿態、容貌、名称、役柄等の総称を指し、小説や漫画等の具体的表現から昇華した抽象的なイメージ」であり、著作物ではないとされています。また、裁判所の判例も、「キャラクターといわれるものは、漫画の具体的な表現から昇華した登場人物の〝人格〞ともいうべき抽象的概念であって、具体的に表現したものということができない」(最高裁平成9年7月17日判決・ポパイネクタイ事件)として、著作物性を否定しています。

著作権法では、「アイデア」と「表現」を区別(二元論)しており、アイデアは著作物でなく、 具体的な表現が著作物の対象とされています(2条1項1号)。作風・タッチ・技法・色遣い等は「アイデア」の範疇に入り、作風や色遣いを真似ても著作権侵害にはなりません。ただし、キャラクターの「具体的に表現された絵」を模倣すれば著作権侵害になります。イラストレーションにおいても、キャラクター=著作物ではない点に注意しつつ、「具体的な絵に表現されたイラストレーション」を模倣したかどうかを考えて下さい。

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